- 前回: 📖 読書感想文7『Googleのソフトウェアエンジニアリング―持続可能なプログラミングを支える技術、文化、プロセス』Titus Winters、Tom Manshreck、Hyrum Wright 編、竹辺 靖昭 監訳、久富木 隆一 訳 https://amzn.to/3YrMBEn – oki2a24
前回は 第2部 文化 5章 チームリーダー入門、を読んだ。
今回は
- 『Googleのソフトウェアエンジニアリング―持続可能なプログラミングを支える技術、文化、プロセス』Titus Winters、Tom Manshreck、Hyrum Wright 編、竹辺 靖昭 監訳、久富木 隆一 訳 https://amzn.to/3YrMBEn
の第2部 文化 6章 スケールするリーダー、を読んでいき、学んだことや考えたことや印象的なことを記していく。
6章 スケールするリーダー
それは、物事の技術的(technical) または工学的(engineering)な詳細に入り込んでいける度合いがどんどん低下し、「深く」というより「広く」事を進めるように追い込まれるということである。このプロセスはどの段階でも不愉快なものだ。 すなわち、あなたは上述の詳細をつかめなくなったことを嘆き、それまでに自分が持っていたエンジニアリングの専門知識が自分の仕事に対して持つ関連性が薄くなるばかりであることを悟る。代わりに、職務要件に見合う能力を発揮できるかどうかは、一般的な(general)技術面での直感と、適切な方向に動くようエンジニアを刺激する能力とに、いまだかつてないほどに依存している。 このような過程は、意気消沈させるようなものであることが多い。ただそれも、ある日、それまでICであったときに持っていたよりはるかに大きなリーダーとしての影響力を、自分が実際に持っていると気づくまでのことだ。それは、会心の、しかしほろ苦い悟りである。
自分はまだ悟っていないように思う。いつかそんな時が来るのだろうか。
6.1 いつでも決定せよ
このレベルでは、行う決定のほとんどは、トレードオフの正しい組み合わせを見つけ出すことについてのものとなる。
複数チームをまとめて管理と言うのは、もはやトレードオフの選択になってくるらしい。そしてそのトレードオフにはどのような要素があって、どうやって分解するかというのがこれから論じられるはずだ。
6.1.1 飛行機の比喩
最もハイレベルなところにあるリーダーとしての仕事は、チーム1つだけのリーダーであろうがより大規模な組織のリーダーであろうが、難解で曖味な問題の解決へと人々を導くことである。曖味(ambiguous)という語で我々が意味するのは、問題に明白な解法がなく、解決不能なことすらあるかもしれないということだ。
これをやっていくためのプロセスが主に3つあり、目隠しを特定、トレードオフを特定、決定を行う、らしい。よくわからない。これからわかるのだろう。
6.1.2 目隠しを特定せよ
そのような状態こそが、無垢な眼差しを備えた者に有利な場なのだ。無垢な者には目隠しの存在が見え、質問ができ、それから新しい戦略を検討できる(もちろん、その問題に馴染みが薄いことは優れたリーダーシップの要件ではないにせよ、有利に働くことも多い)。
この場合の目隠しと言うのは、慣れとか思い込みとか前例とか繰り返しとか伝統とか、といったものと同じ意味。
6.1.3 鍵となるトレードオフを特定せよ
現時点で最良の答えのみが存在し、その答えはほぼ確実に、色々な方面でのトレードオフの実行を伴う。トレードオフ群を指摘し、それらを皆に説明して、どのようにそれらのバランスを取るかという決定を補助するのが、あなたの務めである
ベストでは無くベターを選択する。リーダーはそれを説明するのが仕事。説明、という部分が自分にとって新しかった。当たり前と言われればそうなのだが。
6.1.4 決定し、それから反復せよ
チームが、反復(iteration)の際も居心地良く過ごせるようにしなければならない。その方法としては、「この決定を試して成り行きを確認することになるだろう。来月になれば、その変更をなかったことにもできるし、あるいは別の決定を行うこともできる」と説明して、その決定にかかっているものを軽くし、懸念を鎮めるというものがある。こうすることでチームメンバーの行動を柔軟にしつつ、メンバーが自身の選択から学べる状態を維持できる。
優れた声かけの例。こういうのを身につけていきたい。
6.2 いつでも立ち去れ
Bharatが言いたかったのは、単に曖昧な問題を解くことだけが仕事なわけではなく、自分が居合わせなかったとしても組織自体がその問題を解けるようにすることも、自分の仕事であるということだ。
自律的能動的にすると言う事はどう思う。
6.2.1 あなたのミッション:「自動運転」チームを構築せよ
だが、複数チームをまとめて率いることは、技術面での魔術師となることより、人間たちを組織することであることが多いという事実へと立ち返ろう。
自足的な集団を構築するための3つの主の良さが、これから語られる。
6.2.2 問題空間の分割
6.2.2.1 例:Google検索の「レイテンシー問題」を分割する
6.2.2.2 部分的問題を部下のリーダーたちへ移譲する
毎日仕事を始めるときに、また別の決定的に重要な質問として、「自分のチームの他の『誰も』できはしないどんなことを自分はできるだろうか」と自問してみるべきだ。
教育・引き継ぎに移譲は効果的。でも難しい。自分に今考えているこのタスクは本当に自分でなければできないだろうかを問い、思い切って渡すことができるかどうかを考えることが大事。
6.2.2.3 調整と反復
これこそが、優れたマネジメントの何たるか、つまり、95%は観察と傾聴で、5%はちょうど正しい場所に決定的に重要な調整を加えることである。
これを説明するための例え話が面白い。そしてよく耳にする話でもある。
6.2.2.4 チームの自己同一性の固定に注意する
よくある誤りは、チームに一般的問題ではなく特定製品を担当させることだ。
「解」、例えば Git 、をチームに担当させるのではなく、「問題」、例えばバージョンコントロール、をチームに担当させよう、ということ。
そのチームの自己同一性と自尊心の一部に「解」が当てはまると、変化が難しくなるため。
ある程度抽象的にすると、問題としてあてはめやすいことができやすいのではないかと思った。
6.3 いつでもスケールせよ
6.3.1 成功の周期
どういうわけか、現在では両方の問題を解決しなければならないのだ。それがおそらく意味するのは、の問題は今もなお管理が必要だが、そのためには半数の人員と半分の時間しか使えないということである。他の半数の人員は新しい仕事に取り組むために必要なのだ!我々はこの最終ステップを圧縮ステージと呼んでいる。それまで行ってきていることを全部持ってきて、半分のサイズに圧縮するのだ。
うまくいった後は、短い時間と少ないリソースで、さらに新しい課題が降ってくる。なんかやだなあと思っていたが、そういうものだと言い切っていて、成長組織だったらまあそうかと思わされた。圧縮ステージ、面白い。
6.3.2 「重要」対「緊急」
もし、純粋に反応して行動するモード(ほぼ自動的に起こる)に陥ると、自分の人生の全時間を緊急なものに費やすことになるが、物事の全体像の中ではそれらの緊急なもののほとんどは重要ではない。リーダーとしての仕事は、森を通る道の地図を作り計画するといった、自分しかできないことをやることであるというのを思い出してほしい。
緊急よりも重要が大事。重要を進められるようにする。
鍵となるテクニック
- 移譲
- 専用の時間の予定を入れる = タイムブロッキング
- 機能する追跡システムを見つける ← 大袈裟なシステムなイメージではなく、紙とペンとか todo リストとかそういうの。
作業を追跡し優先順位を付けるためのシステムは何十個もある。ソフトウェアベースのもの(例:特定の「to-do」ツール)、ペンと紙ベースのもの(「Bullet Journal」方式。 https://bulletjournal.com/ Allenの書籍『仕事を成し遂げる技術ーストレスなく生産性を発揮する方法』がエンジニアリングマネージャーの間で大人気である。これは、タスクを消化してゆき、評価に値する「eメール受信箱ゼロ(inbox zero)」を維持するための抽象的なアルゴリズムだ。
6.3.3 ボールを落とすことを学べ
ボール=仕事。
最上位20%のボール、つまり自分しかできない決定的に重要な仕事を選別して取り組む。残り80%は意図的に落とす、ことを自分に許可する。
これは始めはとんでもないことのように感じるかもしれないが、非常に多くのボールを故意に落とすにつれて、素晴らしいことを2つ発見するだろう。第一に、中間の60%のタスクを移譲しないとしても、部下のリーダーたちがしばしば気づいて自動的にそれらを 拾い上げる。第二に、その中間のバケット(bucket)内の何かが真に決定的に重要なら、いずれにせよ自分のところへ戻ってくることになり、結局上位の20%の中へ移ってくる。上位20%の閾値に達していないものが適切に処理されるか上位に上ってくるかのいずれかとなるというのを、ただ信頼しなければならない。
切り捨てることにより起きることの中のうち2つのメリット、考えたこともなかった。そしてそれは信頼するしかない、運任せに見えるがそれで回る分だけ駆動していくのだろう。
6.3.4 自分のエネルギーを保護する
仕事から距離を置き、そして忘れるというのが重要なステップになっている。
6.4 結論
期待に応える能力を実際に発揮するリーダーであるためには、完璧な決定をしたり自身で何でも行ったり2倍働いたりしなければならないわけではない。
そうじゃなくて、いつでも決定。いつでも立ち去る。いつでもスケール。
いつでも決定はわかる。完璧と言うな決定を1回するんじゃなくて、方向性を修正するような小さい決定をたくさんやっていくみたいなニュアンス。
いつでも立ち去るっての
もわかる。自分がいなくなっても回るようにする。いつでもスケールというのがもう一度パラパラとこの章をめくってみて、まだわかってないなと思った。できるようになったことを今までの半分の時間でできるようにすること、といったことがスケールの重要な要素として書かれているのが目に止まった。
6.5 要約
- いつでも決定せよ:腰味な問題への魔法のような答えはない。現時点での正しいトレードオフを見つけて反復することが、そのような問題への対処の全てだ。
- いつでも立ちまれ:リーダーとしての仕事は、時間の経過とともに、自分が居合わせる必要なしに曖味な部類の問題を自動的に解決する組織を構築することである。
- いつでもスケールせよ:時間の経過とともに、成功はさらなる責務を生み出す。個人的な時間、注意力、エネルギー等の、自分が持つましいリソースを保護すべく、この業務が増加する作用のスケーリングを、率先して管理しなければならない。
